「合衆国」ってなに?


「合衆国」って、考えてみたら不思議な表現だなと思った。

大物ジャーナリスト(既に過去の人の感はあるが)本多勝一は、アメリカは「合衆国」ではなく「合州国」と訳するのが正しいとして、著作の中では「アメリカ合州国」として表現を統一している。

”United States”を直訳したら、確かに州が連合してますよという意味だ。
もっとも”State”ってのは、国家を意味する単語でもあるので、USは連合国家ってことになるだろうか。合衆国なんて当て字はまったくの間違いってことだね。誰なんだろ、合衆国って最初に言い出したのは。

連合ってのは、異なる政体をもつ国がある目的のために連合を組むこと(Union)。
連邦ってのは、複数以上の州や共和国をひとつの主権にまとめること(Federation)。

連合より連邦の方が強固に結びついている感があるが、英和辞典でひく限りでは、Union(ソ連)もFederal Republic(ドイツ連邦)も、United States(アメリカ合衆国)も大して違いはないようだ。

実際には、ドイツ連邦を構成する各共和国は、アメリカの各州以上に自治権が強く、複数の国家が連邦を形成しているという状態らしい。

なんとなく先入観で、アメリカの各州はすごく自治色が強い気がしていたが、むしろアメリカの方が単一国家として連邦政府に強い権限があるらしい。

中国では、「州」という語は、地方や人の集まりを示す語であり、そこには独立した主権は含まないそうだ。
ということは、中国人にとっては、アメリカは「合州国」ではなく、連合国とか連邦という感覚なのだろうか?

先入観で、アメリカってのは多民族がそれぞれ異なる主義主張を持って集まっているのを、個々の意見を尊重しつつ寄り合っているもんだと思っていたが、ドイツ連邦の方が遥かに地方の独立自治色が強いというのは意外だった。

ドイツはなんとなくナチスのイメージのせいか、ドイツ民族で一まとまりになってガチガチに固まっているものと思い込んでいた。

先入観ってのは怖いもんだね。意外と中央集権的なアメリカってのは、実は民主主義なんて大して重視していない国なのかも知れない。